戦時の病院壕追体験 豊見城高校、平和新聞作成へ取材
2010年5月18日(火):琉球新報記事より~
沖縄戦について理解を深めようと、豊見城高校の1~3年のクラス代表24人は14日、南風原町の沖縄陸軍病院南風原壕群20号で沖縄戦の追体験をした。同校で毎年、実施している平和新聞コンクールに向けての取材の一環。生徒は真剣な面持ちで平和ガイドの話を聞き、壕の様子を確認していた。
生徒は壕の前で平和ガイドから沖縄戦当時、ひめゆり学徒が寝る場所もない中で傷病兵を看護したことや、農家のお父さんたちが患者を糸数壕まで運んだこと、動けない人は置き去りにされたことなどの説明を受けた。
壕の中では、においが充満していたという当時の様子を想像し、米軍の火炎放射器による攻撃で焼け焦げた壁や天井を確認した。
東健太郎君(1年)は「動けなくなった人は置き去りにされたと聞き、戦争の時は人のことなど構っていられないんだと実感した」と話した。前城一輝君(同)は「平和っていいことだと、新聞を通じて訴えたい」と力強く語った。
同校では、同壕と南城市玉城の糸数壕を交互に訪ねており、追体験は今年で5回目。担当の中村裕子司書教諭は「今はネットなどで手軽に情報が手に入るが、体験することで記事に深みを持たせてほしい」と意義を強調した。
壕に入り、ガイドの説明を聞く
豊見城高校の生徒=14日、南風原陸軍病院
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